抗がん剤&休眠療法

ドクターが教える 抗がん剤治療がラクになる生活術ドクターが教える 抗がん剤治療がラクになる生活術
副作用の症状別アドバイス&治療中・治療後の生活サポートBOOK。
ドクター、看護師、薬剤師、栄養士が生活全般についてアドバイスします。
抗がん剤治療の副作用をわかりやすく伝え、患者の不安を軽減する。抗がん剤治療を通院で受ける患者の日常をサポートする情報を提供。
がん患者の身近な人へ、患者に接するときのアドバイスとしても役に立つ本です。治療後のサポート情報も充実させ、がんと生きる人への包括的アドバイスも盛り込みます。医師に相談する(症状を伝える)ときに活用できるチェックシートをつける等、役立つ工夫が盛り込まれています。副作用の症状からページを引けるようになる一冊です。


脱・近藤誠理論のがん思考力脱・近藤誠理論のがん思考力 2016/10/30

近藤誠「がんもどき」論批判の決定版!

「がんは放置が一番」と説き、手術や抗がん剤の効用を否定する近藤理論。

これを信じたために、本来救えたはずのがん患者が救えなくなってしまった事例が増えている。

気鋭のがん名医が、その思考破綻を暴き、手術、抗がん剤の延命効果を国内外のデータから科学的に実証する。

多数の図や著名人の事例などを用いて、分かりやすく説明。


抗がん剤治療の正体 (ベスト新書)抗がん剤治療の正体 (ベスト新書) 2016/10/8

ブログ『現在のがん治療の功罪~抗がん剤治療と免疫治療』の梅澤先生が久しぶりの新著。

少量の抗がん剤で、副作用に苦しまず、平穏な生を、長く続ける!

日本人の2人に1人が罹るがん。治療法の3本柱の一つとされる

抗がん剤治療だが、死ぬほどの副作用に苦しむのはなぜなのか?

標準とされる抗がん剤治療の正体を明かし「極少量で副作用もなく、

延命効果を上げる」独自の治療法と実績を紹介します。

患者さん30名の経過と治療実績をCT画像付きで公開!

「現在の日本で行なわれている抗がん剤治療では、副作用を避けることはできません。抗がん剤が臨床的に「細胞毒」といわれるゆえんです。私は、人間の幸せや尊厳を考慮の外に置き、ただ数カ月、数日間、命が終わるのが延びるというだけで、細胞毒といわれる抗がん剤を処方する標準治療を続けていくことができませんでした。その体験を通して私なりのがん治療法を考え、20年近く実行しています。それは、「抗がん剤を可能な限り減量し、副作用を容認できる範囲内での治療」です。……そして何よりも本書で伝えたいのは、標準と称される抗がん剤治療の正体です。抗がん剤治療は死ぬほど苦しいと言われるのはなぜなのか? 抗がん剤治療を怖れ、疑問を抱いている方たちにその実態を知っていただきたいのです。」(本書「はじめに」より)

【目次】

1章「がんの現実」治るがんと治らないがん

2章「がんの常識、非常識」知られたくない不都合な真実

3章「抗がん剤でがんは治らない」がん治療のウソと現実

4章「がん治療と命のコスト」夢の新薬の落とし穴

5章「インフォームドコンセント」香具師の口上もどきにご用心

6章「再発予防という名の拷問」細胞毒で殺されないために

7章「少量の抗がん剤だから効く」副作用なしで平穏な生を長く続ける

8章「患者さんの実例」標準治療では得られない症状緩和と延命を紹介

主な抗がん剤 [商品名と一般名] 

 

【私のブログ記事】今日の一冊(58)『抗がん剤治療の正体』


がんは治療困難な特別な病気ではありません!がんは治療困難な特別な病気ではありません!2016/8/20

内容紹介

すべてのがん患者さんへ。

「近藤理論」を信じると早死にしかねません!

実際にがんを治した医師だから伝えられる「後悔しないがん治療」の実際。

近藤理論批判本はこれまで多数あり、

様々な専門医が「がんもどき理論」を中心に近藤氏批判を繰り広げていますが、

では「どの治療法」を選択すべきか、という

患者が本当に知りたい情報まで書かれているものはありません。

本書は単なる「近藤誠」批判だけでなく、

がん死亡率が下がっているアメリカで取組まれたがん治療の趨勢と、

近藤理論では見逃されている「食」と病気の関係、

「食」を見直しで、がんが改善された事例、

を説得力ある根拠とともに紹介。

※特定植物成分やサプリへの誘導本でもありません。


新生ペプチドとビックリするがん免疫新薬の力新生ペプチドとビックリするがん免疫新薬の力 2016/8/17

日本企業が開発に成功し、“がん治療の革命" として世界的に注目が集まる

「免疫チェックポイント阻害薬」の一種「抗PD-1抗体」。

従来とはまったく異なる方法論で展開される画期的治療を、

わかりやすい図解を豊富に用いて、一般読者向けに、懇切丁寧に説明。

 

 


抗がん剤治療と上手につきあう本抗がん剤治療と上手につきあう本 

医者から「抗がん剤をつかいましょう」と言われたら・・・・

がん治療における不安と疑問に、大学病院の専門家が答えます。

がん治療は、大きく変化しています。恐れられていた抗がん剤の副作用に対しても、

さまざまな対処法が開発されています。

がん治療は、患者とその家族に多くの負担をかけますが、正確な情報をもとに抗がん剤

の副作用の知識を身につけることで、副作用を早期に発見し対処することが可能になり、

スムーズながん治療が可能になります。

本書は、がん治療の中でも抗がん剤の副作用とその対策に絞って、大学病院の各領域の

専門家が詳しくわかりやすく解説したものです。

様々な新薬が登場し急速に進歩している薬物治療の効果を、十分に享受するための情報

を収録しています。

【主な内容】

総論 抗癌剤の副作用は対処できる

第1章 がんの治療・抗がん剤治療について

がんの主な治療法 抗がん剤治療と副作用 主な抗がん剤の副作用一覧

第2章 抗がん剤治療の副作用とその対応

皮膚や爪、血管の症状 アレルギー症状 血液毒性、感染症 消化器症状

感覚器・筋肉や関節の症状 臓器障害 性機能障害 その他の全身的な症状

第3章 その他 がん治療に関する情報

代替療法 治験 介護保険・訪問看護 抗がん剤薬価一覧表・加算 情報サイト


孤独を克服するがん治療〜患者と家族のための心の処方箋〜孤独を克服するがん治療〜患者と家族のための心の処方箋〜 2016/7/27

 

がん治療の虚実」ブログを書かれているSho先生の初出版本です。

『がんに対してはさまざまな出版物がありますが、この本を一言で言えば、「がんに対する患者さん向け戦略本」と言ったところでしょうか。』とのこと。

 

内容紹介

「がんに立ち向かうにはどうすればいいか?」 健康なときにはなかなか意識しないこの問題は、 いざがん告知を受けたとき、あるいはがん治療をスタートしてからも、 患者やその家族を大いに悩ませる。 そして、悩み抜いた末に「孤独」におちいってしまう人も少なくないのだ。 しかし、「孤独」なままでがんに立ち向かうことは難しい。 そう語るのは、腫瘍内科医として約20年にわたりがんと向き合ってきた著者だ。 病院、主治医、患者会、支えてくれる人たち――さまざまな存在とのつながりが、 がん患者に希望を与えてくれる。 「がんを告知され、受け止めるために」 「がんに立ち向かうために」 「患者の家族ががんに向き合うために」 「患者と家族がよりよい関係を築くために」 「医者や病院とよい関係を築くために」 本書では5つのシチュエーション別に、がん患者やその家族から寄せられる疑問、 あるいは医師の目から見た「がん患者が抱えやすい悩み」に対してアドバイスをする。 がん治療の実情、誤解されがちな医療のトピックスにも触れつつ、 「孤独」から抜け出すための「心の処方箋」を詰め込んだ、 がん患者とその家族にとって必携の一冊。

 

出版社からのコメント

がん患者さんやそのご家族の「心」の持ち方は、 治療そのものと同じくらい大切なものです。 しかしながら、多くの人は「がん」という事実にショックを受け、 大きな不安を抱えてしまいます。 本書はそんなときにどうすればいいのか、どう考えればいいのかを教えてくれる、 「心」のガイドブックといえるでしょう。 長年現場でがん患者と接してきた著者だからこそ言える、 がんを前向きにとらえ、「心」を強く保つためのヒントが満載の一冊です。 


がんは引き分けに持ち込めがんは引き分けに持ち込め 2015/12/28
実は,当院で行っている低用量抗がん剤治療は,癌研の土屋繁裕先生が“遺して逝かれた”ものでもある.当時,「三好!シスプラチンが10mgで効くぞ!」と言われた時は,「土屋先生ともあろう人が何を馬鹿なことを」と正直思っていた.ところが,土屋繁裕先生の死後,診療を引き継いだ患者さんの中に,標準量の1/10のCAF(シクロフォスファミド+ドキソルビシン+5FU)を1回投与しただけで,酸素投与から離脱し,ホスピスを退院してきた患者さんがおられたこともあり,疑心暗鬼の中,とりあえずやってみるか,と自身でも1/10の抗がん剤投与を何人かの患者さんに試みてみた,というのが私の低用量抗がん剤治療の事始めである.(著者ブログより)

 

【私のブログ記事】今日の一冊(35)『がんは引き分けに持ち込め』

休眠療法、メトロのミック療法、低用量抗がん剤治療など、さまざまに言われている治療法を行っている銀座並木通りクリニックの三好立先生の2冊目の上梓です。

休眠療法については、著名な腫瘍内科医である勝俣医師は、臨床試験もやってない、エビデンスもない治療をすることは「人体実験」に等しいと述べて批判しています。たしかにランダム化比較試験はありません。というよりも、患者ごとに抗がん剤の投与量を変えるのですから、比較試験ができません。腫瘍内科医の先生が得意とする標準治療でも、アブラキサンが効果がなかったから次はTS-1をというセカンドラインの抗がん剤治療は、その多くがランダム化比較試験などのエビデンスはありません。


抗がん剤治療を受けるときに読む本抗がん剤治療を受けるときに読む本
●抗がん剤の副作用はつらくても我慢するしかない
●副作用で寿命が短くなる
●がんになったら自分の人生は終わりだ
●主治医との関係に悩んでいるがどうしようもない
●主治医のいう通りにしておけば大丈夫
●がんが完治しなければ幸せにはなれない
決してそんなことはありません。
あなたの悩みはちょっとしたことで解決できます。
がんと前向きに向きあい、がんを克服する方法を、わかりやすくお話しします。

 

【私のブログ記事】今日の一冊(29)

有名病院の有名腫瘍内科医の先生は、抗がん剤を60%以下まで減量することはまかりならん。それは人体実験になる、とおっしゃいます。武蔵小杉の勝俣医師、前回の記事で取り上げた日赤の里見清一先生もおなじ考えです。

しかし、セカンドラインの抗がん剤治療には、少数の例を除いてエビデンスはないですよね。では、武蔵小杉や日赤でも人体実験をやっているのですか?

その点、地域の臨床現場で日々患者と向き合って入医者は、より現実的です。今回取り上げた加藤隆佑医師は『抗がん剤治療を受けるときに読む本』で、「辛い抗がん剤はがん細胞を育てるだけです」と言い切ります。

最低量である60%まで減量しても、まだ副作用がひどい場合は、更に減量します、と明確です。「投与量は副作用を基準にして決める」のです。

アルコールに強い人も弱い人もいるのに、一律に「ダブルを3杯呑みなさい。2杯までなら減らしても良いです」はおかしいでしょ。抗がん剤もこれと同じで、副作用に強い人も弱い人もいる。少量でも酔う人もいれば、いくら呑んでも酔わない人もいる。一律に決めるのはおかしい。無理をしないで、抗がん剤治療を続けることが大切である。

治療のために生きているのではなく、自分らしい生活をより長く送るために治療を受けている、のだということを忘れないで。


使い方次第で抗がん剤は効く!使い方次第で抗がん剤は効く!
抗がん剤は毒にも薬にもなる。大量投与の標準治療は命を奪うが少量なら副作用ナシで効く。 

【私のブログ記事】『抗がん剤は効く!』

一言でいえば、標準治療よりはるかに良いではないか、となります。

国立がん研究センターの乳がん患者(Ⅳ期、再発)のデータでは5年生存割合がともに25%となっています。同じステージの梅澤先生の治療を受けた乳がん患者65名のデータでは、平均生存期間は60.5ヶ月ですから、平均しても5年は生存しています。がんセンターの標準治療では5年後は25%ですから、この違いは明らかだと思います。

一番気になる膵臓がんの25例の成果も紹介されています。こちらは「膵がんの治療成績は、悲惨の一言です」と書かれているように、ほとんどの患者さんがすでに亡くなっています。それでもジェムザールの生存期間中央値6.8ヶ月に比較して、16.5ヶ月という治療成績です。膵臓がん患者からすれば「そんなものか」とがっかりしますが、標準治療よりは副作用も少なく、長生きできるのですから恩恵はあります。


抗がん剤治療のうそ ~乳がんをケーススタディとして~ (ワニブックスPLUS新書)抗がん剤治療のうそ ~乳がんをケーススタディとして~ (ワニブックスPLUS新書)
抗がん剤はほんとうに患者のために使われているのか?「抗がん剤は効く人には効く」。しかし「延命効果が得られるほど効果があるのは、ごく一部の人たちだけである」。しかも「術後すぐに投与しても転移が見つかってから投与しても効果は同じだけあり、生存率も変わらない」…だから「術後、再発・転移予防のために抗がん剤を使う」という医学界の常識は、間違い、大うそなのである。データを正しく読み解けばわかることが表に出てこないで、なにも知らない患者は今も医者にミスリードされ続けている。本来不要な局面での抗がん剤の蔓延に警鐘を鳴らす。

 

【私のブログ記事】植松稔『抗がん剤治療のうそ』(1) 植松稔『抗がん剤治療のうそ』(2)

植松先生はこの著作で、臨床試験の「クロスオーバー試験」という性質を巧みに利用して、抗がん剤は急いで使う必要もないし、ほとんどの患者には効果がない、ことをわかりやすく説明しています。重要な結論だけを書けば、

  • 抗がん剤による真の再発・転移予防効果は5%ほどである。
  • 抗がん剤による真の延命効果は10%程度である。
  • ハーセプチンは転移が進行してから使っても効果は同じ
  • 術後の再発予防で抗がん剤を使う必要はない
  • 最近はIPCWメソッドという詐欺のようなルールが出てきた

 

など。比較的抗がん剤の効きやすい乳がんでこの程度ですから、他のがんではもっと効果は小さいだろうと予測できます。この著作は、乳がんの患者会「イデアフォー」の会報に連載したものに加筆して出版とのことですが、新書ながら非常にわかりやすく、要領よくまとめられた良書です。

抗がん剤には患者が期待するほどの効果はない。しかし、一部の患者には非常に効果があり、延命に寄与している。延命効果は乳がんの新しい薬で20%程度、その他のがんではもっと低いだろう。ごく希に腫瘍が消失するような例もあるが、それは数千人に一人程度で、抗がん剤のおかげかどうかも明確ではない。逆に抗がん剤で命を縮める患者もたくさんいるはずですね。


S‐1誕生―国産初の世界レベル抗癌剤開発秘話S‐1誕生―国産初の世界レベル抗癌剤開発秘話
抗癌剤開発は癌を消滅、ないしは縮小させる可能性のある化合物を合成し、様々な角度からテストする作業。抗癌剤開発を天職とする著者の半生とともに、経口抗癌剤S-1を考案してから世に送り出すまでを綴った一冊。

 

 

 


高橋豊の今あるがんを眠らせておく治療―がん休眠療法のすべてがわかる (名医の最新治療)高橋豊の今あるがんを眠らせておく治療―がん休眠療法のすべてがわかる (名医の最新治療)

がんの増殖をとめ、発育速度を遅くすることでがんの進行を遅くするがん休眠療法。抗がん剤のつらさを最小限に抑えながらがんを眠らせ天寿を全うする、新しい治療法のすべて。

「がん休眠療法」とは、がんの増殖をとめ、発育速度を遅くすることでがんの進行を遅くする治療法であり、本書の著者である高橋豊教授が提唱し、実践している方法である。患者さん個人のがんにあった量の抗がん剤を継続的に投与することで、がんを眠らせ、結果としてがんと共存しながら長く生きられることができることがわかってきた。個人個人にあった抗がん剤の量であれば、副作用も出にくく、日常生活を送ることが可能になる。その点でも、がん休眠療法は穏やかで長く続けられる治療法である。本書では、がん休眠療法の実態、実際の効果について、がんの種類別にみるがん休眠療法についてなどをわかりやすく紹介する。毎年、新たにがんと診断される人が60万人、現在がんと診断されている人が250万人といわれるなかで求められる画期的なオーダーメイド治療のすべて。


決定版 がん休眠療法 (講談社+α新書)決定版 がん休眠療法 (講談社+α新書)

著者からのコメント

一人ひとりの「ほろ酔い加減」による抗がん剤治療

 現在の抗がん剤治療は、初めてお酒を飲む人に、最も強い人々の極量と思われるウィスキーボトル1本を飲ませるようなものです。これでは、多くの人にひどい副作用が出るのは当然です。お酒と同様に、抗がん剤の量にも個人差があることは、遺伝子薬理学的にすでに証明されています。著者は、抗がん剤の適量に個人差があることを、初めて数字で明らかにしました。薬剤によって異なりますが、通常3-5倍です。つまり、従来の抗がん剤治療がひどく苦しいのは、アルコールで言えば、「個人差」を無視し、「泥酔」を目標にしていたためです。これを、一人ひとりの「ほろ酔い加減」にするのが、著者の改革案です。

 これまで、抗がん剤治療の目標は、「がんの縮小」でした。そのため、抗がん剤の量も、「泥酔」を目標にしてきたのです。著者は、世界で初めて「縮小がなくとも、大きくしないようにすれば延命する」ことを示し、完治できなくても、「がんと共存」するという方法があることを、がん休眠療法において呈示しました。この考え方は、医師、患者を問わず、多くの方から賛同を受け、NHK, 日経新聞、朝日新聞、文芸春秋など数多くのマスメディアで紹介して頂きました。つまり、がんと長くつきあうように治療するには、「ほろ酔い加減」を目標にする必要があります。そして、言うまでもなく、ほろ酔い加減は人によってその量が異なるのです。

 かくして、「個人差」と「継続性」の2点を改善した抗がん剤治療法を開発しました。すでに、国際医学雑誌に掲載され、また複数の欧米の専門家から論文に紹介を頂きました。全国的な臨床試験も数種類のがんで進んでいます。また、前著(がん休眠療法、講談社プラスα新書)で詳しく紹介しましたが、休眠療法の考え方は、がんの本質に基づいたものです。最近話題となっている21世紀の抗がん剤と呼ばれる「分子標的剤」は、まさに休眠療法に合致した薬剤です。今回著者が改革した抗がん剤治療は、この分子標的剤を手本にして改革した方法とも言えます。さらに、最近治療成績が良好な抗がん剤は、この「個人差」と「継続性」をクリアーしているものが多いという事実もあります。

 これまでの著者らの検討では、簡便、安全、QOLが高い、毒性(副作用)が低い、医療費が安いなどが確認され、同時に効果もかなり上回っています。現在、それらを確認すべく、全国的な臨床試験を推進しているところです。まだまだ医学的に結論が出るまでには年数がかかりますが、「苦しくない抗がん剤治療」としての選択肢の一つにはなると思っています。


間違いだらけの抗ガン剤治療―極少量の抗ガン剤と免疫力で長生きできる。 (ベスト新書)間違いだらけの抗ガン剤治療―極少量の抗ガン剤と免疫力で長生きできる。 (ベスト新書)
副作用に苦しまずに長生きしませんか?抗ガン剤はガンも正常細胞も殺す!抗癌剤と免疫力で延命効果増大の新治療法を問う!ガン治療革命。 

 

 

 

 


見捨てられたがん患者さんへ――休眠療法が“がん難民”を救う見捨てられたがん患者さんへ――休眠療法が“がん難民”を救う
「もう治療法はありません」そう言われたら、あなたはどうしますか?休眠療法なら、まだ闘えます。途方に暮れる“がん難民”に豊富な実績をもつ著者が実例をもとに徹底検証。 

 

 

 


「抗がん剤は効かない」の罪「抗がん剤は効かない」の罪
近藤誠氏は間違っている! 日本を代表する腫瘍内科医(がん専門医)が世を席巻する近藤理論に反論。その誤り(罪)を質し、がん医療の真実を明らかにする。 

 

 

 

 


がん研有明病院の抗がん剤・放射線治療に向きあう食事がん研有明病院の抗がん剤・放射線治療に向きあう食事
がんで抗がん剤や放射線治療を受けている方は、味覚障害や飲み込み困難、におい過敏などの食にまつわる副作用に苦しむことが多く見受けられます。食べたいのに体が受け付けない、そんな方に「これなら食べられる」料理を症状ごとに紹介します。料理を症状別に色分けしているので、自分に合ったレシピがひと目でわかります。 

 

 


抗がん剤 10の「やめどき」~あなたの治療、延命ですか? 縮命ですか? (あなたの治療、延命ですか?縮命ですか?)抗がん剤 10の「やめどき」~あなたの治療、延命ですか? 縮命ですか? (あなたの治療、延命ですか?縮命ですか?)

人気番組『クイズ$ミリオネア』の名ゼリフを覚えていますか? そう、「ファイナルアンサー?」です。途中でやめても全然いいのです。

しかし、みのもんたさんに「ここでやめて、本当にいいのか?」と訊かれると、多くの挑戦者は「やっぱり、いきます! 」と言って、見事に撃沈していきました。

テレビを見ながら「あそこでやめときゃ良かったのに」と思っても、肝心の当事者は目の前の問題をクリアすることに必死で、大局的な判断ができなくなっているのです。

抗がん剤治療をギリギリまでやっている人を見る度に、この「ファイナルアンサー」を思い出してしまいます。

そう、抗がん剤はいい、悪いではなく、やめどきなのです。 やめどきを間違えると、せっかくのいい治療も失敗となってしまいます。

そこで今回、私は町医者として、長年多くのがん患者さんと向き合った経験から、抗がん剤の10の「やめどき」を提案します。

がんとの向き合い方も、人生観も人それぞれ。みんな違って、みんないい。ならば、「やめどき」だって、それぞれ違っていい。

私が本書で提案する10の「やめどき」から“抗がん剤のファイナルアンサー"を見出すのは、医者ではなく、あなた自身なのです。

さいごまで、あなたが自分らしく、限られた時間を楽しみ、あなたからSTOP! を言うために。 ―――― 長尾和宏

抗がん剤の本は、世の中にたくさん出ています。しかし、やる/やらない、効く/効かないの二元論ではなく、「やめどき」について現役の医師が指南した本は本邦初です。

本書は医療実用書ですが小説仕立てになっています。

長期に亘り闘うことになるがんという病、そして抗がん剤の「やめどき」は人生という物語の中でしか語れないと判断したからです。

一風変わった作品構成となりましたが、より著者の想いを込めることができたと考えます。(編集部より)