その他

江部康二の糖質制限革命: 医療、健康、食、そして社会のパラダイムシフト江部康二の糖質制限革命: 医療、健康、食、そして社会のパラダイムシフト 2017/4/7

●糖尿病、肥満だけでなく、そのほかの生活習慣病や、がん、アルツハイマーはじめ様々な難病、健康増進、アンチエイジングなどにも効果を発揮。

●「糖質制限ダイエットに失敗」や「慎重論」のほとんどは“正しい知識”が欠如しているだけ。

●正しい糖質制限の普及により、兆円単位の医療費が削減できる。

●糖質オフ市場は急拡大。医療費削減と合わせ、日本経済の救世主となる。

……

糖質制限食の創始者が、「ケトン体」「ロカボ」など最新動向も網羅して、「正しい知識」と今後の展望を解説した、目からウロコの一冊。

【序章より】

正しいやり方で糖質制限を行えば、確実に健康増進に役立ちます。そして、日本社会全体を明るくしていくでしょう。

この本では、糖質制限食に関する現状での正しい知識を整理し、今後の展望について考えています。

生活習慣病の予防による兆単位の医療費削減を含めて、糖質制限食には日本社会を変えるほどの大きな可能性があることを、きっと、理解していただけると思っています。


がん保険に加入する前に読む本がん保険に加入する前に読む本 2017/5/26

見せかけの保障の広さや、単純にコスパがいいとか、保険料が安いとか、一生涯の安心であるなどの指標だけでは、「がん保険商品の本当の姿」はわからない。コスパや見せかけの保障条件に惑わされずに、「ICDと約款」を分析すると、そこには明確に、がん保険商品の中に見え隠れする本当の姿が浮き彫りになってくる。保険会社や保険募集人が説明しない・できない核を、読者が確認できるように「分析のやり方」を解説。

 

 


音楽療法はどれだけ有効か―科学的根拠を検証する (DOJIN選書)音楽療法はどれだけ有効か―科学的根拠を検証する (DOJIN選書) 2017/6/8

音楽療法を科学する!

近年、非薬物療法の一つとして注目が集まる「音楽療法」。

音楽のもつ、心理的・社会的・生理的な効果を応用して医療に役立てる方法である。

しかしその効果のエビデンスは、まだ十分に確立されているわけではない。

本書では、世界中で研究が続く音楽療法について、有効性の検証が進んでいるもの、まだ研究途上にあるものを峻別しながら、認知症やパーキンソン病,失語症などへの対応状況を紹介。

さらには、医療の現場でも広く受け入れられる音楽療法のあり方を、自身の体験に基づいて考える。

【本文より】

ギリシャ神話の神アポロンは、音楽の神であると同時に医学の神でもありました。(中略)

音楽と医学はともに、ひとの存在を支えます。音楽は上から、医学は下から。

音楽は素晴らしいです。音楽には汲めども尽きぬ力があります。

医学と音楽の境界がなくなり、両者が一体となって提供されるようになったとき、本当の意味で音楽療法が臨床の現場に根ざしたということができると私は思います。

その日がきっとくることを、私は信じています。


がんの治療と暮らしのサポート実践ガイドがんの治療と暮らしのサポート実践ガイド 2017/2/6

日本人の2人に1人が罹患するがんは、従来は入院治療が主流でしたが、現在は外来治療が増え、患者は地域でがん治療・ケアを受けるようになってきました。

これに伴い、従来のがんの専門家だけで行ってきた、がん治療・ケアは、地域医療の担い手であるケアワーカー、医療ソーシャルワーカー、訪問看護師、患者家族などにより、包括的に行われるものに移りつつあります。

本書は、がん患者の地域での暮らしをサポートするためのケアについて、どのようなケアを行うことで患者がQOLの高い暮らしを実現できるか、基本を理解できるよう解説しています。

・がん患者の暮らしに必要なサポート方法

・がん患者を地域で支える方法

・がん患者の暮らしを包括的にサポートする方法


がんは働きながら治す!一億総活躍社会のためのがん教育がんは働きながら治す!一億総活躍社会のためのがん教育 2017/2/1

昨年2月に、厚生労働省から「事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」が公表され、働きながら治療を続ける従業員を支える体制がまとめられた。しかし、企業や医療現場ではまだ浸透しているとはいいがたいところである。

今後、働く人のがんは増えていくといわれていることから、企業にがんを正しく理解してもらい、そして医療現場にもがん患者が労働者でもあり就労支援の必要性を知ってもらうことが喫緊の課題である。

そこで、本書では、日本経済新聞連載『がん社会を診る』の著書である東大病院放射線科の中川恵一氏を中心に企業における「働く人のがん」の支援について企業側と医療側が知っておいてほしいことをまとめました。大人のがん教育として知っておきたい1冊。


ビジュアル版 糖質制限の教科書ビジュアル版 糖質制限の教科書 2017/2/25

正しいやり方で、無理なくやせる、健康になる!
基本から実践、理論までこの1冊でわかる
最新の食品成分表七訂に対応
食品別糖質含有量一覧付き

 

 

 


【2017年・第15回『このミステリーがすごい!大賞』大賞受賞作】 がん消滅の罠 完全寛解の謎 (『このミス』大賞シリーズ)【2017年・第15回『このミステリーがすごい!大賞』大賞受賞作】 がん消滅の罠 完全寛解の謎 

日本がんセンター呼吸器内科の医師・夏目は、生命保険会社に勤務する森川から、不正受給の可能性があると指摘を受けた。

夏目から余命半年の宣告を受けた肺腺がん患者が、リビングニーズ特約で生前給付金3千万円を受け取った後も生存しており、

それどころか、その後に病巣が綺麗に消え去っているというのだ。同様の保険支払いが4例立て続けに起きている。

不審を抱いた夏目は、変わり者の友人で、同じくがんセンター勤務の羽島とともに、調査を始める。

一方、がんを患った有力者たちから支持を受けていたのは、夏目の恩師・西條が理事長を務める湾岸医療センター病院だった。

その病院は、がんの早期発見・治療を得意とし、もし再発した場合もがんを完全寛解に導くという病院。

がんが完全に消失完治するのか? いったい、がん治療の世界で何が起こっているのだろうか―。

私のブログでの紹介記事


がんとお金─週刊東洋経済eビジネス新書No.181 (週刊東洋経済eビジネス新書)がんとお金─週刊東洋経済eビジネス新書No.181 (週刊東洋経済eビジネス新書) 2017/3/17

一生涯のうち、2人に1人といわれる国民病「がん」。本誌ではがん治療とおカネの問題に焦点をあて、負担を緩和できる手段を紹介することで、社会保障や金融のリテラシーを高めていただけることを期待したい。※本書は、電子オリジナルコンテンツ「週刊東洋経済eビジネス新書」を基にプリントオンデマンド版として作成したものです。

  

 


再発! それでもわたしは山に登る再発! それでもわたしは山に登る 2016/12/19

がんに冒されながらも明るく前向きに人生を楽しんだ、世界初の女性エベレスト登頂者・田部井淳子。

山を愛し、夫を愛し、人々との出会いを大切にしたかけがえのない日々。

2016年10月20日、亡くなる5日前の病室で「みなさん本当にありがとう!!ありがとう!!百万遍もありがとう!!」と書き残した。

がんの再発から、ガンマナイフ治療、あらたな抗がん剤の使用、海外登山に、講演会と精力的に過ごし、7月の東北の高校生の富士登山プロジェクトが最後の登山となった。

病室で、打つ手はないとわかりつつも来月、そして来春の予定まで考え続けていた著者の姿勢に心打たれる感動の手記。


国立がん研究センターのがんとお金の本 (国立がん研究センターのがんの本)国立がん研究センターのがんとお金の本 (国立がん研究センターのがんの本) 2016/11/22

がんの検査・治療にかかるお金を詳しく解説

社会の長寿化が進み、2人に1人が、一生のうちに何らかのがんにかかる時代になりました。がん検診によって早期発見が可能になり、「がん=死の病」ではなくなりましたが、その一方で治療期間が長くなったり、高価な薬や治療法が登場したりすることで、経済的な負担を気にかける患者さんも多くいます。現役で働いている社会人ががんにかかった場合、仕事をしながら治療を続けられるのかどうかも大きな問題です。

本書は、自分自身あるいはご家族ががん患者である方向けに、五大がん(胃がん、大腸がん、肺がん、肝がん、乳がん)の検査と治療について解説し、具体的な費用を例示します。また、医療負担を軽くする高額療養費制度や医療費控除、収入の不安に対する傷病手当金や雇用保険の制度、身体に障害が生じた際の助成制度など、経済的な不安を軽減するためのさまざまな制度を易しく解説します。

がんに関する知識だけでなく、治療費の算出や公的制度に関しても、国立がん研究センター中央病院の先生方の監修をいただいております。今までありそうでなかった「がんとお金にまつわるすべてのことが、この1冊でわかる」本です。


松田さんの181日松田さんの181日 2016/11/9

内容紹介

余命わずかな役者の松田さんと遊び歩く脚本家の私。驚きの過去を知った時――オール讀物新人賞受賞作ほか、泣かされて暖まる五篇。

内容(「BOOK」データベースより)

職業・役者。現在、末期がん。その人は、カネも女も才能もない私の、師なのだ―。オール讀物新人賞受賞。ユーモアと涙の傑作小説集! 


細胞が伝える癒やしのメッセージ―細胞との対話でがんを治す細胞が伝える癒やしのメッセージ―細胞との対話でがんを治す 2016/6/30

原著の裏表紙にはこのような紹介が書かれている。 「簡便かつ読みやすいEメール形式で書かれた本書は、一般的治療および代替療法でも効果のなかったがんの症状に対して、著者二人が行なった霊的な旅の実話である。 二人には旅の地図も、道しるべもなく、待ち受けている地形すらも予測できず、頼るものは自分自身の直感だけだった。 それだけを携えて、二人は後ろをふり返ることなく前進し、あらゆる方法を試みた結果、ついに成功するに至った。 この本は、同様の健康問題をかかえている人々が、 本書に示された道しるべを使って、彼ら自身の霊的な旅を作り出すときの地図となるであろう」 マーガレット・アンダーソンは膀胱がんになり、 病院の治療も代替療法も効果がなかった。 霊的な感受性が鋭い友人バーバラ・ウルフは、霊的な方法でがんを癒やすことを提案する。 離れて暮らしている両者はEメールでがんの原因とその治療法について話し合う。 バーバラは細胞にがんの原因を問いかけるようにマーガレットにうながす。 マーガレットは細胞たちのメッセージに耳を傾け、食事や運動などの生活習慣を改善していく。 細胞たちはさらに、不安、恐怖、心配、悲哀、イライラなどの感情想念がどれほど細胞を傷つけるかを繰り返し教える。 マーガレットはバーバラのアドバイスを受けながら、幼少期から自分の潜在意識に染みついた否定的な感情想念を浄化し、 自分を愛する肯定的な想念へと切り換えてゆく。 心身両面における自己変容によってマーガレットは見事にがんを癒やすことに成功する。 がんは単に身体的な病気ではなく、心のあり方と深く関わっている病であり、 これまでの自分を見つめ直し、人間の真実の生き方へと進化していくための「姿を変えた祝福」でもあることを教えてくれる書である。


比較検証、がん保険比較検証、がん保険 2016/7/30

金融庁主導ではじまった「がん保険」の比較推奨。がん専門医として、また生命保険の専門家である著者が、主要各社のがん保険を比較。

 

 

 

 

 


なぜ疑似科学が社会を動かすのか (PHP新書)なぜ疑似科学が社会を動かすのか (PHP新書)
企業における人事採用の際に、性格分析が使われることがある。しかし、非常に複雑な存在であるヒトの性格を、質問に答えてもらうだけで診断するのはかなり困難である。世間に流行している心理テストもほとんど疑似科学の疑いが強い。一方、巨大市場を形成しているサプリメントも注意が必要で、その効果をうたう主張のほとんどは疑似科学といえる。
なぜこのようにあやしげな理論が蔓延するのか? この人間心理の謎を解くカギは、科学と疑似科学の両方の源である、「規則的なパターンや原因の抽出」という行為である。本書は共同研究者とともに「疑似科学とされるものの科学性評定サイト」を立ち上げた疑似科学研究の第一人者が、進化生物学の視点から人間心理の本質に迫る。
●抗酸化作用があるという活性水素水
●学校や自治体が本気で採用してしまった、放射能の除染効果があるというEM菌
●「気合い」で弟子が倒れるのはなぜ?「秘伝の技」の正体
●疑似科学としての占星術、血液型占い
●封印された超能力の科学
●金縛りの正体 etc.


企業のためのがん就労支援マニュアル企業のためのがん就労支援マニュアル 2016/4/4
日本人の二人に一人が「がん」と診断される時代――働き盛りの従業員が「がん」と診断されたとき、人事としてどのように対応すればよいかわかる1冊!
働く意欲のある従業員の就業継続支援を、日ごろからの対策や休職、復職時といった時系列別に編集。また、休職・復職の際に主治医の診断書などの個人情報収集の場面でもスムーズに対応できる「個人情報の取り扱いにおける基本的な考え方」も収録しています。がん以外の私傷病にも応用できるマニュアル。


がん経験者のための就活ブック: サバイバーズ・ハローワークがん経験者のための就活ブック: サバイバーズ・ハローワーク

内容紹介

履歴書・職務経歴書の書き方、面接の仕方、メール・電話対応といった就職活動の基本の「き」から、がん経験者が直面する就活の困難、心構えや対処法までを具体的に解説しました。面接一問一答集・先輩たちの実体験コラムなど多数掲載。

AYA 世代の新卒者のための就活情報も備えた、がん経験者の就活に必要なすべてが詰まった一冊!

内容(「BOOK」データベースより)

こんな悩みはありませんか?面接のとき、病気のことをどこまで言えばいいの?これからも働きたいけど、それって会社には迷惑?病気の経験をポジティブに伝えたいけど、うまくいかない…。働きたいのに、躊躇してしまう自分がいます。働くことをあきらめないすべての人へ。


医療政策を問いなおす: 国民皆保険の将来 (ちくま新書)医療政策を問いなおす: 国民皆保険の将来 (ちくま新書)
地域医療構想の策定や在宅医療・地域包括ケアの推進など医療制度改革が矢継ぎ早に進められている。そして2018年には、次期医療計画や医療費適正化計画の策定、改正国民健康保険法の施行、診療報酬と介護報酬の同時改定など、一連の改革が結節する。そうしたなかで、国民皆保険を堅持するために、今、我々は何をなすべきなのか。医療政策の理論と実務に通暁した著者は、国民皆保険の構造の考察や人口構造の変容の分析を行い、わが国の医療政策のあるべき方向性と道筋を明快に展望する。医療問題に関心をもつ人すべてにとって必読の1冊。


疑似科学と科学の哲学疑似科学と科学の哲学

内容(「MARC」データベースより)

占星術、超能力研究、東洋医学、創造科学。これらはなぜ「疑似科学」と言われるのか? はたして疑似科学と科学の間に線は引けるのだろうか。科学のようで科学でない科学を考察することで、「科学とは何か」を解き明かす。

レビュー

……「科学とは客観的な営み」などという神話を信じている人は、本書にまずショックを受けるだろう。「科学と疑似科学」など簡単に峻別できると考える向きは科学者にも多いが、この問題を安易に考えていると足をすくわれるという例がどんどん出てくるからだ。科学もやはり人間の営みであり、豊かな境界領域をもつ。そこに単純な二分法を当てはめようとするから、「迷信でないなら科学だ」という話になってしまう。それらしい実験を見せられて一転超能力を信じてしまうなどというのは、そういう科学者のナイーブさのゆえだ。といって「絶対的な科学も非科学もなく、すべては社会により決まる」なども暴論であろう。

本書は科学哲学の本だが、占星術や超能力といった身近(?)な例をベースにしているため親しみやすく、そこはかとないユーモアも漂っているところがいい。……「疑似科学」を否定できなくて悩んでいる科学者だけでなく、「疑似科学」さらには「相対主義」についてのスタンスを決めかねている多くの人、さらには「疑似科学」を信じている人にぜひ読んで欲しい本である。【坂村 健氏】 --「朝日新聞」(03年3月9日)書評欄より


たまたま―日常に潜む「偶然」を科学するたまたま―日常に潜む「偶然」を科学する
なぜヒトは「偶然(たまたま)」を「必然(やっぱり)」と勘違いしてしまうのか?確率、統計をうまく用え、日常に潜む「たまたま」の働きを理解する。

 

【私のブログ記事】腫瘍マーカの数値は信用できるのか?

腫瘍マーカーを他人のものと取り違える確率は?

DNA型鑑定の精度は足利事件当時とは格段に向上して、同一パターンが出現する確率は4兆7000億人に1人といわれる。ところが、一般に実験・試験において検体の取り違え、何らかの記載ミス、事故などにより間違いを犯す確率は、公表はされていないが多くの専門家はそれを100分に1程度だとしている(『たまたま』レナード・ムロディナウ著、P.58)。仮に試験機関においてミスを犯す確率が100分の1としよう。試験機関がミスを犯す確率とDNAのパターンが一致する確率は独立した事象だと見なせるから、DNA鑑定において無実の人が犯人とされる確率は、これらの合計である。(偶然の一致と人為的ミスはどちらもあまり起きそうにないから、両方が同時に起きる確率は無視して差し支えない。したがってどちらか一方が起きる確率を求めればよいのであり、統計学では独立した事象のどちらかが起きる確率は、それぞれが起きる確率の合計であることを教えている)

そして4兆7000億分の1は100分の1に比べて無視できるほど小さいから、えん罪の起きる可能性は100分の1として差し支えない。これはどうみても無視できるような数字でない。

つまり、足利事件裁判においてはDNAの鑑定精度を云々するよりも検体の取り違えなどの人為的ミスの確率を問題にすべきであった。そして人為的ミスの確率は決して小さくはなく、人間は必ずいつかはミスを犯すだろうから、これからもえん罪は起き続けるだろう。さらに、人為的ミスではなく意図的に検査結果の信憑性を低下させるような行為があるとしたら、誤鑑定の確率は10分の1程度に上昇しても不思議ではない。

がん患者にとって重要な検査項目である腫瘍マーカにおいて、こうした人為的ミスがあるとしたらどのような影響があるだろうか。CA19-9が500→300→200と下がってきた。患者は安心して現在の治療法が効いているのだと思うし、医者も同じように考えて今の治療法を継続するだろう。しかしその測定値がミスによるものであって、実際は300→400→500なのかもしれない。測定値が信頼できなければ治療方針に確信が持てない。もちろんどのような測定にも誤差はある。誤差の範囲を考慮して検査結果を判断すべきである。しかし、その検査に人為的ミスだけではなく、意図的な悪意に満ちた、いい加減な検査があるとしたら、ことはがん患者の命に関わる重大事である。


病の皇帝「がん」に挑む ― 人類4000年の苦闘 上病の皇帝「がん」に挑む ― 人類4000年の苦闘 上
地球全体で、年間700万以上の人命を奪うがん。紀元前の昔から現代まで、人間を苦しめてきた「病の皇帝」の真の姿を、患者、医師の苦闘の歴史をとおして迫真の筆致で明らかにし、ピュリッツァー賞、ガーディアン賞を受賞した傑作ノンフィクション。 

古代エジプトのパピルスにイムホテプはこう記した「この病の治療法はない」。この病を「カルキノス」と呼んだ医聖ヒポクラテスもまた「がんは治療しないほうがよい。そのほうがより長く生きるから」と述べている。人類は4000年にわたって、この怖るべき病気と闘い続けてきた。 

病の皇帝「がん」に挑む ―人類4000年の苦闘 下病の皇帝「がん」に挑む ―人類4000年の苦闘 下

外科手術による病巣の切除、X線による放射線療法、抗がん剤と骨髄移植を組み合わせた超大量化学療法、さらに「がんに対する魔法の弾丸」になると期待される分子標的療法……

不治の病から治癒可能な病へといたるその治療の歴史と、「がん」をめぐる患者、医師、研究者たちの人間ドラマを見事に描きだした「病の皇帝」がんの伝記。

 

【私のブログ記事】今日の一冊(7)『病の皇帝「がん」に挑む』

いくつかの興味深い記述を紹介しておく。

 

次の飛躍的な進歩はがん遺伝学の向こうにあるいくつかの分野を巻き込んだものになると予想しています。ほんの一例を挙げると、たとえば、これまで正当な評価を受けてこなかったがんにおける微小環境の役割の研究は、今後拡大する分野だと予想されます。がんのエピジェネティクス? それもまた、今後発展していくはずの興味深い分野です。がんの生物学と幹細胞の関係? これもまた、遺伝学と微小管京都にまたがる非常に込み入った分野です。

腫瘍生物学における4つの重要な分野

  1. 免疫システムの役割
    臨床医は、がんの自然寛解という非常に希な現象があることを知っていました。これは免疫システムが腫瘍を攻撃しているからだと考えました。実際免疫システムの再活性化は悪性黒色腫などのがんに対して効果的だと分かり、患者自身の免疫システムの役割への研究が進んでいます。
  2. がんの代謝
    がん細胞は無酸素下でもエネルギーを発生させることができるのですが、その代謝に特異的に影響を及ぼす遺伝子を特定しています。それらの遺伝子に働きかける薬を見つけられたら、がん細胞のアキレス腱を攻撃することも可能になります。
  3. がん細胞における遺伝子制御
    細胞はDNAに変化を及ぼさないエピジェネティックな方法で制御をすることがあるが、がん細胞はこの機能を中断させたり変化させることも利用して、正常細胞とは異なる働きができるようになっている。この分野の研究が進めば新たな治療法の解明が進むに違いない。
  4. 微小環境の役割と増殖・転移との関係
    膵がんはなぜ他の臓器ではなく肝臓や肺に転移しやすいのか。前立腺がんはなぜ骨転移するのか。「安全地帯」があるとすれば、それはがんの微小環境との関係を究明することによって明らかになるだろう。

最後に、亡くなったと信じられていた悪性リンパ腫の「ジミー」は今も生存してて、50歳のトラック運転手として子どもたちに囲まれて元気に暮らしていることが明らかになる。


ビッグ・ファーマ―製薬会社の真実ビッグ・ファーマ―製薬会社の真実

製薬ビジネスにかかわるすべての人に読んでもらいたい書籍が登場した。副題が「製薬会社の真実」とあることから、本書をいわゆる暴露本ととらえる人もあるかもしれないが、その主張のほとんどはしっかりとした根拠に基づいている。著者のエンジェル氏は、医学雑誌The New England Journal of Medicineの前編集長。タイム誌が、米国で最も影響力のある25人に選んだこともある人物だ。掛け値なしに一流のジャーナリストである同氏が、「製薬企業は不誠実で狡猾だ」と全力を挙げて告発するために著したのが本書である。

「製薬業界の技術革新力が特に優れているわけではない。重要な薬の多くは、公的研究やバイオテク企業から生まれている」「製薬企業は薬が良く効くように見せかけるため、臨床試験に細工を施している」「薬の開発に多額の資金が必要だというのは嘘で、ほとんどはマーケティングにかかる費用である」などその内容は刺激的である。

ただし、著者が“悪”と断じている行為は、業界にとってはどれも当然のものばかりだ。実際、製薬企業向けのセミナーでは、法の網をかいくぐって特許期間を半年でもいいから延長する方法や、ゾロ新薬をピカ新に見せかけるマーケティング手法が人気を呼んでいる。それだけに、製薬業界がこの本にどう反論するかが興味深い。

 

【私のブログ記事】ビッグ・ファーマの真実

抗がん剤の薬剤費が高くて、治療を断念するがん患者がいます。3割負担でも平均的な家計では負担しきれないほどになっています。そして国の医療費が破綻しそうだとも報道されますが、どうしてこれほどまでに薬価が高いのか、正統な価格なのかという追求をするメディアはありません。それも当然です。民放でも新聞でも製薬企業の広告が占める割合は相当なものでしょう。製薬企業の機嫌を損ねたらマスコミは存続できません。NHKですらそのような報道は見たことがない。『ビッグ・ファーマ』ではその真実を明らかにしています。「新薬が高いのは研究開発費を取り戻す必要があるからだ」という製薬会社の主張に対して、ほとんどの新薬が「ゾロ新薬」といわれる化学構造式を少し変えただけのものである。数少ない新薬は、そのほとんどが大学、バイオ企業、NIHなどの前金を使って行なわれた研究が下地になっているのであって、製薬企業が独自でゼロから開発した新薬はほとんど存在しないこと。マーケティング費用が研究開発費の2.5倍を占めており、なおかつビッグ・ファーマはこの半世紀間莫大な利益を上げ続けていること、等です。


新薬ひとつに1000億円!? アメリカ医薬品研究開発の裏側 (朝日選書)新薬ひとつに1000億円!? アメリカ医薬品研究開発の裏側 (朝日選書)
行き詰まる米国の医療制度。医療費の高騰で、公的医療制度は財政危機に陥り、経済を支える企業は従業員保険の負担増に喘ぐ。無保険者は増え、オバマが内政の最優先課題と位置づけるほど切実な問題だ。薬の高価格は国民に直接打撃を与える。「新薬開発には金がかかる」という製薬会社の主張は本当か。新薬の開発・認可過程、経費と利益のゆくえを描き出し、医療制度に矛盾を抱える日本の未来を映す。

 


混合診療 「市場原理」が医療を破壊する混合診療 「市場原理」が医療を破壊する
医療の現場と制度の変遷を約20年にわたり取材してきた科学ジャーナリスト賞受賞の新聞記者が、具体的な訴訟事例などを通じ混合診療の問題点を詳しく、そしてわかりやすく解説。混合診療の全面解禁に警鐘を鳴らす。 

 

 

 


がん保険のカラクリ (文春新書)がん保険のカラクリ (文春新書)

本当に2人に1人がかかる病気なのか? 実際の治療費にいくらかかかるか? ネット生命保険会社の若きリーダーが、がん保険にまつまわる「迷信」を一刀両断。正確な知識を持てば、いたずらに不安にかられることなく、自分に合った賢い選択ができると説く。さらに、がん保険を語るうえで避けて通れない民間の医療保険が抱える問題、公的医療保険との関係についても言及。すべての日本人が知っておくべき医療保険、がん保険のイロハを教えます。

第1章 がん保険とは何か

第2章 医療保険の課題

第3章 老後の生命保険

第4章 働く人の生命保険

第5章 消費者は生命保険を理解していない

第6章 新しい時代の医療保険 


通院ついでの歴史散歩~東京・隠れた旧跡巡り ロハス・メディカル叢書2 (ロハスメディカル叢書 2)通院ついでの歴史散歩~東京・隠れた旧跡巡り ロハス・メディカル叢書2 (ロハスメディカル叢書 2)
『東大のがん治療医が癌になって』の著者が、通院ついでに都内の旧跡を巡る。【私のブログ記事】神楽坂散策

ロハス・メディカルの連載を一冊にまとめた本ですが、加藤医師は風流人のようで、東大病院をはじめ、本で取り上げられた散歩コースでたびたび漱石や鴎外のことを語っています。若い先生ですが、医学の他にも深い学識のある方だと感じました。残念ながら私が検査で通院する癌研は埋め立て地にありますから、歴史的な由緒ある土地ではありません。

通院のついでに病院の近くを歴史散歩なら、治療と運動による免疫アップが一挙両得。帰路にはちょっと遠回りをして、自分なりの散歩コースを考えてみるのも心楽しいことに違いありません。


安心してがんと闘うために知っておきたいお金の実際安心してがんと闘うために知っておきたいお金の実際

がん研有明病院のフィナンシャルプランナー・放射線技師が書いた本。

がんにかかった人の8割が心配する経済的負担。やりようによっては大幅にカットできる医療費の補助の実際を、実例をもとに紹介。

●がんになると医療費は年間で100万円前後かかるといわれている。そのうえ、働いている人が2週間に1度通院する場合、平均200万円の収入減が見込まれる。トータル300万円近いお金が減るとなると負担はかなり大きい。

●したがって、がん罹患者の8割が経済面のことを気にしているというのも当然のことだろう。

●ところが、「高額療養費」や「傷病手当金」、「雇用保険」などの社会制度を利用することで、驚くほど医療費は下げられる。これを実例を出しながら見せていく。また、生命保険などを活用してお金の負担を軽減する方法も紹介。2人に1人ががんにかかる時代だからこそ、節約できるお金の実際を示したい。

●第1章:実例で見るがんとお金の実際

●第2章:がんになるとどんなリスクがあるのか?

●第3章:実際にかかる費用の内訳

●第4章:どうしたら治療費を抑えられるのか?

●第5章:公的保障を使い倒す

●第6章:生命保険・先進医療の実際


がん患者が教えてくれた本当のところがんとお金の真実(リアル)がん患者が教えてくれた本当のところがんとお金の真実(リアル)
がんに罹患すると、身体的、精神的、そして経済的にも生活が一変するといわれます。お客さまご自身あるいはご家族ががんに罹患し、治療法はもちろん、お金のことについての情報を求めている方も多くいらっしゃいます。 本書は2部構成。 第1部では、がんにかかる医療費と、医療費以外に必要なお金、経済的なリスクに備えるにあたって知っておくべき公的制度やがん保険などの自助努力等を、見開き単位のQ&A形式で紹介しています。 第2部では、代表的な6つのがんに罹患した場合について、働き盛りの30歳代から50歳代までの実際の「がん患者(サバイバー)」にどんなタイミングでどれだけのお金がかかったかを、「がん患者(サバイバー)」である著者が取材してまとめています。 がんに罹患している方、そしてがんに備えてがん保険・医療保険などの加入を考えている方にとって、大変役に立つ一冊となっています。 


がんとお金の本がんとお金の本
2009年末に乳がん告知を受け、自らの実体験をもとに、がんに対する啓蒙活動やがんに罹患した場合の経済的備えの重要性を訴える活動を行う。2011年3月、NPO法人キャンサーネットジャパン認定の乳がん体験者コーディネーター資格を取得。がんに対する基本的な知識のスキルアップに努める。

 

 


がんと一緒に働こう!―必携CSRハンドブックがんと一緒に働こう!―必携CSRハンドブック

この本の制作に関わった人は研究者を除きすべて「がん経験者」です。がんになっても「仕事」にこだわり続ける人たちが、その思いを1冊にまとめました。がんはもうただ生き延びればいいという病気ではなくなりました。がんになったからと、あきらめなければならないことなどありません。6章を読んでください。みんな感動するほど前向きに、がんと一緒に働いています。

関係者もそうでもない人も、この本をきっかけにがんと就労という問題に目を向けてください。

鳥越俊太郎さん推薦!

【私のブログ記事】『がんと一緒に働こう』

がんになったとたんに命の心配をしなければならなくなる。それに加えて、仕事がどうなるのか、生活の心配ものしかかる。専業主婦ならまだいい。一家の大黒柱ががんになったら、治療費の心配に加えて家族の今後の生活がどうなるのか、自分の命も心配だが、それ以上に一家の今後のことが脳裏を去らなくなる。治療法についてならネットで調べれば沢山ヒットする。しかし、がん患者の経済的な問題について書かれているサイトや書籍は多くはない。

『がんと一緒に働こう!―必携CSRハンドブック 』は、そんながん患者の悩み・疑問に丁寧に答えてくれる。

がんと診断された人の76%は今後も仕事を継続したいと考えている。しかし、そのうちの30%は診断後に仕事を変わっている。4.6%の人が解雇されている。解雇はされなくても、退職勧告を受けたり、降格されたり、給与が下がったりという例がたくさんある。『NHKスペシャル 働き盛りのがん』でも、出演していた方の一人が解雇されたと言っていた。

この本では一般的な労働者の権利を紹介し、また病気になったときに使える制度も例を挙げて紹介するなど、がん患者にとって切実な問題の解決の糸口を見つけることができる。


パッチ・アダムスと夢の病院―患者のための真実の医療を探し求めてパッチ・アダムスと夢の病院―患者のための真実の医療を探し求めて

アメリカの現代医療システムにノーと言い,自分の理想の病院建設に向けて走るドン・キホーテが,パッチ・アダムス。そのパッチがこの本で,自分のこれまでの過去,めざしている病院のこと,現代医療への批判を率直に語っている。

青年期に自殺まで思いつめ精神病院に入院したパッチは,現代医療の医者と患者の猜疑心にみちた冷たい関係に嫌気がさし,往診もする患者と友人になれるかかりつけの医者をめざした。そして「ほとんどの患者は薬を飲むことよりも幸せを感じる必要がある」と考え,患者といっしょに遊び活動を楽しむことを,治療と同じくらい大切にする実験的医療を,仲間と試みる。無料診療を実行し,患者との信頼関係がこわれるので医療過誤保険にも加入しなかった。