がんと心

お医者さんがすすめる すごい瞑想お医者さんがすすめる すごい瞑想 2017/3/9

「瞑想は、心や体にいい影響を与える」と聞いて、うなずく人は多いと思います。昔から、瞑想をすると「心が安定する」「イライラが収まる」「集中力がアップする」といわれてきましたし、また実際に瞑想を試したことがある方は、その効果を体感もしているでしょう。そして最近では、そのすごい効果が科学的にも医学的にも解明されてきました。

本書は、医療の現場に瞑想を取り入れ、研究を進めてきた医師が解説する「瞑想の入門書」。呼吸に意識を向け、雑念を手放すという基本的な瞑想法から説き始め、「炎の力を借りた瞑想法」「見えないものを見る瞑想法」「ネガティブな感情におぼれないための瞑想法」など、読者の興味や目的に応じて始められる、さまざまな瞑想法を紹介していきます。

1日10秒からスタートできるこの新習慣を生活に取り入れることで、不安やイライラは解消され、集中力と記憶力もアップ。あなたの人生が、まるごと変わっていきます!


いのちを見つめる―がん患者の心理いのちを見つめる―がん患者の心理

家族や友人ががんになったとき、どのようにしたら心に寄り添うことができるのか。その疑問に答えるため、多くの症例に基づき患者の心理を明らかにした。

 

 

 

 


「病は気から」を科学する「病は気から」を科学する
イギリス気鋭の科学ジャーナリストによる知的興奮のノンフィクション!
スピリチュアルブーム、自然志向で「現代医学VS.自然療法」という対立が生まれた。
「代替療法はまったく根拠のないエセ科学だ」と断じ、切り捨てる科学者。
「心の力ですべての病は直る」と極論を述べるヒーラーや、スピリチュアルをお金に変える商売人。
真実は、両者のはざまに存在した。
「心の力」を治療に取り入れている最先端科学の研究者と医療現場、患者に、綿密な取材を敢行。
がん、自己免疫系疾患、過敏性腸症候群、うつ、パーキンソン病、自閉症、慢性疲労症候群などの病気に、心がどのような役割を果たしているかを解き明かす。

  • プラセボ効果を利用して鎮痛剤の使用量を抑える
  • 催眠術を利用して過敏性腸症候群の腸収縮を抑える
  • 味覚と臭覚を訓練し、免疫系疾患の治療に役立てる
  • 心の状態と生涯にわたる病気リスクの関係
  • 遺伝子の活性化など、心の状態が体の物理的構造に与える影響

エビデンスをもとに導き出された、「西洋医学=絶対」でもなく、「自然療法=インチキ」でもない「第三の真実」とは?
「病は気から」を科学すれば、思いや思考によって最先端医療の効果を最大化できる。
ページを繰る手が止まらない!知的興奮のノンフィクション。


がんでも、なぜか長生きする人の「心」の共通点がんでも、なぜか長生きする人の「心」の共通点

がんとわかってショックを受けて落ち込むか、切り替えて前向きに日々を楽しめるかという「心のあり方」次第で、その後の予後が大きく変わってくることが明らかになってきました。

がん患者さんの2割はうつ病を併発するとも言われています。

聖路加国際病院で、がん患者さんの心のケアを専門にしてきた精神科医の著者が、がんでも長生きする人の「心の共通点」を教えます。

 

がんでも長生き 心のメソッドがんでも長生き 心のメソッド

心の免疫力アップが、がん寿命を左右する! 日本ではまだ珍しい精神腫瘍科(がん患者専門の精神科)の医師である、聖路加国際病院の保坂隆先生に、コピーライターであり、2014年にステージ4の乳がんを告知された、今渕恵子さんが、自らの体験をもとに心のケアの必要性とそのメソッドをインタビュー。

がん患者の7割の心をラクにする2つの基本、「がんは高血圧や糖尿病と同じ慢性疾患のひとつにすぎない」

「日本人の2人に1人はがんになる時代。でもがんで死ぬのは10人に3人」をはじめ、「肉体的な痛みは99.9%コントロールできる」「がんは第2の人生の始まり」など、目から鱗の事実をQ&A方式でわかりやすく解説していく。がん患者の心がV字回復し、免疫力が上がるメソッドのすべてを初めて公開!

 

【私のブログ記事】今日の一冊(38)『がんでも長生き 心のメソッド』

がんが自然に治る生き方』について、大場大医師は否定的な意見でしたが、保坂隆医師は「オススメの本」として推薦しています。サイモントン療法も。

量子力学の「多世界解釈」を「あの世」に結びつけるのには、ちょっと首をかしげるが、『「あの世がない」というエビデンスもないのだから、あると考えた方がお得でしょ』と考えている。


津波もがんも笑いで越えていのちの落語家が追った3.11津波もがんも笑いで越えていのちの落語家が追った3.11

 内容紹介

いのちの落語家・樋口強が挑んだのは「津波とがん」。ともに自らがんを患い、二〇一一年三月十一日の東日本大震災の津波で大切なものをたくさん失くした二人の女性との、三年にわたる交流から誕生した。 「津波とがん」に負けなかった二人に共通するキーワード、それが「笑い」だった。 本書では、二人をモデルとした創作落語『いのちの落語―あの日を忘れない』を紙上で独演する。そしてそれぞれの再生の道すじを追うことで、輝いて生きるためのヒントが見つかる。 『いのちの落語―あの日を忘れない』ライブ録音CD付。

 

【私のブログ記事】樋口強さんの本、絶対にお勧めですよ!!

二人ともがんを抱えて津波で家族をなくして、それでも強く、笑って生きている。笑うことで前向きになれる。人間ってすばらしい、人間って強いなぁ、と思います。離婚、がん告知、津波。それでも絶望しないで生きてきたのは「意地」だったと渚さんは振りかえります。母子家庭でも立派に生きてやるぞ!という意地だと。

樋口さんの高座を聞くようで、涙と笑いで読み通せて、がんと闘う勇気もわいてくるすてきな本に仕上がっています。


「がん」からもう一度人生が始まる「がん」からもう一度人生が始まる
患者のメンタルをサポートするサイコオンコロジーの専門医が、「がん」と告知されてからの生き方・考え方をやさしく説く。それまで無為に過ごしてきた時間をかけがえのないものと思い、丁寧に生きる。その結果として、人生がどんどん輝き出す、そういった体験談を数多く紹介。

 

 


遺伝子スイッチ・オンの奇跡遺伝子スイッチ・オンの奇跡

「きみはガンだよ」と、著者は宣告されます。

進行が速く手術はムリ。放射線治療、抗ガン剤治療を受けますが、

肺と肝臓に転移が見つかり、とうとう「余命1ヵ月です」と告げられます。

著者はどうしたか……?

  • 著者は、子供たちに遺書を書き、私物を整理して死ぬ準備を整えていました
  • その病床に『生命の暗号』(村上和雄著)という1冊の本が届きます。一読して、著者は驚きました
  • いちばん驚いたのは、「人間の遺伝子のうち、実際に働いているのは全体のわずか5パーセント程度で、その他の部分はまだよくわかっていない」というところです
  • これを読んだとき、閃いたのです、それなら眠っている残りの95パーセントの遺伝子が目を覚ましてオンになったら、私だって少しは良くなるに違いない
  • それに気ずいた瞬間、「ばんざーい! 」と大きな声で叫んでいました
  • まず病んでいない目、鼻、耳、その他の臓器の細胞に「これまで私を支えてくれてありがとう」とお礼を言い、ガン細胞にも「あなただってこれまで支えてくれたのだから」と「ありがとう」と伝えます
  • ガンが消えてなくなるようにと祈ったのではないのです●10ヵ月後、ガンはすっかり消えていました。

(村上和雄先生のオマージュから) 自分の奥深くまで届くような"我を忘れる深い祈り"は、遺伝子のオン・オフの働きを呼び起こすことができるはずです。心の底からの願いは自我レベルにはないのです。つまり、奥にある本当の自分(真我=アートマン)に働きかければ、眠っている潜在的な力を発揮できる、というのが私の考えです。彼女は素直な心で、それを実行してくれたのです。


こころと遺伝子こころと遺伝子

人間には無限の可能性がある!

遺伝子研究の世界的権威が「こころと遺伝子」の関係を明らかにした最新書き下ろし作品。著者が自身の遺伝子理論の究極の実践者であると語る三浦雄一郎の奇跡の冒険や、こころの師と仰ぐ平澤興の教えから学んだ生きるヒントが満載。「環境」や「思い」が遺伝子を変え、人生を創出していくという遺伝子研究の新事実から、人間の可能性や生命の奇跡をひも解く。今を生きる日本人へのメッセージが満載の渾身の一冊です。


精神生物学(サイコバイオロジー)―心身のコミュニケーションと治癒の新理論精神生物学(サイコバイオロジー)―心身のコミュニケーションと治癒の新理論

『笑いと治癒力』などの著者、ノーマン・カズンズが次のような序文を書いています。

    初版への序文                   ノーマン・カズンズ

    本書は、心が疾病の治療に大きな変化を与えうるとする説と、この説が真剣な考慮に値し、多くのケースに実際にあてはまるという医師たちの臨床報告とを結びつけるものである。本書は、医療従事者が「経路(パスウェイ)」と呼ぶもの、すなわち人間の態度や情動がからだを通して処理され、生理的、化学的な変化をもたらすプロセスを解明している。

    このような経路に関する知識は、過去十年間で飛躍的に増大してきた。そのため、患者と医師の協力関係は急速に現代医学の重要課題となりつつある。この協力関係とは、医師は医学が提供しうる最善のものをもたらし、患者は医師の提供するものを最大限に利用するために、自分のもつ資質を回復のシステムとして用い、信頼と決意をもって治療に臨むという関係である。

    本書は神経系、内分泌系、免疫系の相互作用に関する最新の情報を提供している。ここに集められ、整理されている事実をみれば、私たちが考えること、信じることが、病気であれ日常生活での問題処理であれ、大きな困難に立ち向かう時の私たちの能力に深く影響しうることを裏づける「確固とした」証拠がないとはもはやいえないであろう。    一九八六年八月

 

【私のブログ記事】

心が免疫系に与える影響(3)

「肉体の病気を、心や精神的な方法を用いて治療することが本当に可能なのか」という疑問に、現在得られている科学的知識をもとにして応えようとするのである。しかし、まだ答えへの道のりは遠い。

心の有り様ががん、がんの予後に影響することは「経験的」には確からしいと思われている。多くの医者もそのように言う。いまでは、心(脳)から、からだ、細胞、遺伝子にいたる情報が「情報伝達物質」によってコントロールされていることが分かっている。これこそがホメオスタシスの実体である。IL-2などの伝達物質を大量に投与すれば「魔法の弾丸」のように効果があるだろうとする説は、残念ながら効果がなかった。それは混雑する劇場で「火事だ!」と叫ぶようなものだった。複雑系である人体に対して、大量の情報を与えれば良いというものではない。では、どうすれば心の有り様でがんをコントロールできるのか。イアン・ゴウラーやノーマン・カズンズがその実例を示している。


笑いの治癒力笑いの治癒力
笑いは神経系、循環系、内分泌系、免疫系をはじめとする人体の様々な器官に深い作用をおよぼす。心と体を癒す笑い、ユーモア、遊びの方法を豊富な実例を交えながら、楽しく紹介。

 

 

 

 

笑いの治癒力〈2〉ユーモアと死と癒し笑いの治癒力〈2〉ユーモアと死と癒し
ガンの診断について:

医師が入ってきたときに患者を見て、優しげな面持ちで、ちょっと首をかしげたら、それはもはや「まとめ買いは、してはいけない」という合図である。

傾けた角度でどれくらい悪いニュースかがわかる。

 

 


ガン―希望の書〈からだ〉の声があなたに伝えるスピリチュアルなメッセージガン―希望の書〈からだ〉の声があなたに伝えるスピリチュアルなメッセージ

ガンをどう受けとめるかは、完全に、あなた次第です。

ベストセラー『〈からだ〉の声を聞きなさい』の著者が贈る、まったく新しい〈ガンの処方箋〉。

豊富な実例とスピリチュアルな視点で描く、病気と不調の〈本当の意味〉とは──

・なぜ、お酒を飲まず、タバコも吸わない人が、ガンにかかるの?

・なぜ、余命数カ月と診断された人が、その後も生き続けることができるの?

・なぜ、医学は進歩しているのに、毎年ガン患者は増え続けているの?

・なぜ、ガンを恐れてガンを引き寄せる人と、そうでない人がいるの?

私は、これらの疑問に対する明確な答えを、すべて持っています。

その答えをあなたと分かち合いたくて、この本を書きました。

「この本は、ガンにかかったすべての人のために書かれたと同時に、

ガンにかかった人を身近に持つすべての人のために書かれています。

さらに、ガンにかかるのを予防したいと思っているすべての人の

ためにも書かれています。

本書を読むことによって、ガンにかかる人の率が大幅に下がることを、

私は心から願っています」

──リズ・ブルボー


がんに負けないこころとからだのつくりかたがんに負けないこころとからだのつくりかた
本書では、がんの性質をはじめ、がんをおとなしくするための食事、標準治療だけでなくその他の治療や、治療の考え方まで説明しています。
がんは自分のからだが作ったものですからおとなしくする方法も必ずあるはずです。がんと代謝・炎症、がんと免疫、がんと心、これらのキーワードは、がん治療において非常に大切で基本的なことです。
本書は、治療をただ医者まかせにするのではなく、自分自身でできることもたくさんあるという視点から、がんを理解し、がんと心の関係を理解し、自分が受ける治療をしっかりと把握して治療を選択していくための指針・指導書となるでしょう。


「思考」のすごい力「思考」のすごい力

内容(「BOOK」データベースより)

人間の持つ無限の可能性の扉を開く新しい生物学の革命的挑戦!遺伝子は単なる生物の設計図にすぎない。意識や環境が細胞をコントロールし、遺伝子のふるまいを変えるという驚くべき真実。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

リプトン,ブルース

世界的に著名な細胞生物学者。ウィスコンシン大学医学部やスタンフォード大学医学部で教鞭をとる。これまでに何十ものテレビやラジオ番組にゲストとして招かれ、また、米国内で開かれる各種会議で基調講演者を務めている。細胞膜に関する画期的な研究は、エピジェネティクス(epigenetics)という新しい分野の端緒を開き、科学と魂との橋渡しをする新しい生物学のリーダーとして活躍している。

 

【私のブログ記事】がんとエピジェネティクス(6)心ががんを治すには

エピジェネティクスの分野において、その研究の端緒を開いたとされる細胞生物学者ブルース・リプトン博士は、2009年に五井平和賞を受賞していて、そのときの記念講演が残されている。受賞記念講演「新しい生物学が明かす『心の力』」ではこのように述べている。

  • 環境こそが遺伝子の活動をコントロールする
  • ほとんどのがんは、遺伝子が悪かったからではなく、私たちの環境に対する対応ががんになる変異細胞をつくってしまったのが原因
  • 「自然回復」と呼ばれる現象についても説明がつきます。死が近いという人が、自分の人生に対する信念を大きく変えた瞬間、遺伝子が突然変化し、奇跡的に回復し、元気になってしまうことがある
  • 自分の知覚、つまり信条やものの見方を変えれば、脳から出る化学物質は変わり、自分自身の体も変えていくことができる

 

この講演内容は、博士の著書『「思考」のすごい力』の要約にもなっている。著書では量子物理学と生物学を橋渡しすることで、遺伝子のエピジェネティクスな変異を、量子物理学から説明する。アインシュタインが E=mC^2 で物質とエネルギーは等価であると発見したように、物質はエネルギーの別の存在の仕方である。そこから、遺伝子のエピジェネティックなふるまいも、量子力学的なエネルギー場の影響を受けるはずだと博士は考える。

ただ、リプトン博士は量子物理学のこの原理から、無批判に手当療法・レイキ・気功などの「エネルギー療法」一般、超越瞑想などを全面的に肯定しようとしているが、これはいささか非科学的で先走りすぎだろう。『タオ自然学―現代物理学の先端から「東洋の世紀」がはじまる 』のようなニュー・サイエンスの臭いがしなくもない。


脳はなぜ「心」を作ったのか「私」の謎を解く受動意識仮説 (ちくま文庫)脳はなぜ「心」を作ったのか「私」の謎を解く受動意識仮説 (ちくま文庫)
意識とは何か。意識はなぜあるのか。死んだら「心」はどうなるのか。動物は心を持つのか。ロボットの心を作ることはできるのか―子どもの頃からの疑問を持ち続けた著者は、科学者になってその謎を解明した。「人の『意識』とは、心の中でコントロールするものではなく、『無意識』がやったことを後で把握するための装置にすぎない。」この「受動意識仮説」が正しいとすれば、将来ロボットも心を持てるのではないか?という夢の広がる本。

 


心の治癒力をうまく引きだす―病気が回復する力とは何か。「まあ、いいか」療法はなぜ効くのか。心の治癒力をうまく引きだす―病気が回復する力とは何か。「まあ、いいか」療法はなぜ効くのか。

一生懸命なおそうと頑張って治療していたころは一人も治らなかったのに、何もしなくなったら、みんなよくなってしまった…心の治癒力を活性化することで多くの患者を治してきた医師が描く、診断、治療の実情と、治癒力の引き出し方。

 【私のブログ記事】がんの自然治癒はどうすれば起きるのか

彦根市立病院緩和ケア科部長・黒丸尊治医師の『緩和医療と心の治癒力』は、そんな私の考えとほぼ同じ内容で書かれています。黒丸医師の日本ホリスティック医学協会常任理事の肩書きを見て、あの帯津良一氏が会長を務める組織の理事だと、少し構えて読み始めたのですが、予想に反して内容はまじめで説得力のあるものでした。

緩和医療と心の治癒力緩和医療と心の治癒力

そもそも代替療法などにすがるべきではないのでしょうか。私は決してそうとは思いません。医者からもう治療法はありません、と言われたら誰だってショックを受けます。この現実を受け入れ、残された時間を有意義に過ごそうと思える人はそれで良いと思います。でも、そう思える人ばかりではありません。何とかならないだろうかと嘆き苦しみ、最後の抵抗を試みる人がいてもまったく不思議ではありません。その抵抗の手段のひとつが代替療法なのです。こんなことにすがってもダメかもしれない、と思いながらも、やはりすがらざるを得ないのです。それが人間なのではないでしょうか。


ガンをつくる心 治す心ガンをつくる心 治す心
ガンと診断されて、不安と絶望に苛まれながら、治療の迷路を漂う-。末期ガン患者の治療を通じてガン発症の原因を追求。「心が引き起こすガン」の存在を明らかにし、予防や治療に欠かせない心の重要性を説く。

 

 

 


からだの知恵 この不思議なはたらき (講談社学術文庫)からだの知恵 この不思議なはたらき (講談社学術文庫)
暑くなって体温が上がりそうになると汗をかく。小さな傷は放っておいても自然に治ってしまう。このようにして、生物のからだはつねに一定の状態を保っている。本書は、生物体のもつ自己調節機能をひとつのシステムとして捉え、ホメオステーシス(生体における恒常性維持)という概念をはじめて提唱した書である。生命体を新しい角度から捉えたこの概念は、生物学はもちろん、心理学・社会学など現代思考全般に大きな影響を与えている。

 【私のブログ記事】『からだの知恵』-W・B・キャノン

しかし、これは考えてみれば非常に不思議なことだ。残された細胞は、「同じ臓器の同種の細胞が失われたことを知ることができる」ということである。「部分が全体を知る」ことができるということである。細胞相互間に何らかの情報伝達回路があるということになる。キャノンはそれを「ホメオステーシス」の一部だといったのだが、その機序はまだ十分に明らかになっているとは言い難い。しかし、免疫学ではその仕組みが徐々に解き明かされようとしている。


がん哲学外来へようこそ (新潮新書)がん哲学外来へようこそ (新潮新書) 

もう、悩まなくていい。

心配するのは一日一時間でいい。

がん患者が次々入っては、笑顔で出てくる外来がある――その名は「がん哲学外来」。

治療の不安から人間関係の悩みまで、主治医には打ち明けづらいあらゆる相談に

がん専門の病理医である著者は答え続けてきた。

「自分を心配するのは一日一時間でいい」

「冷たい医師にもいい医師がいる」

「がん細胞は不良息子と同じ」

「何を望むかよりも、何を残すかが大切」

……貴重な個人面談録をもとに綴る、患者と家族の心に効く「ことばの処方箋」。 


いい覚悟で生きる:がん哲学外来から広がる言葉の処方箋いい覚悟で生きる:がん哲学外来から広がる言葉の処方箋

「がん哲学外来」とは何ですか、との問いに、樋野氏は「偉大なるお節介」だと答える。がん患者が自分のがんについて安心して話せる場がない。家族や友人がいても、お互いに気を遣って病気の話題はあえて避けることが多い。一番の相談相手は主治医であるべきだが、主治医が忙しいのは患者もよく分かっている。運悪く相性の合わない主治医に当たると、悩みを聞いてもらうどころか、主治医との関係そのものが悩みの種になっていることもある。がん患者、徳に末期のがん患者が抱える悩みは病人としての悩みではなく人間としての悩みではないだろうか。

がんという大病を得たとき、それを背負って人間としてどう生きるのかという深い悩みに違いない。それはホスピスや終末医療で言う「心のケア」というレベルではなく、自分という人間の存在全てを問う領域であろう、との考えで、試験的に「がん哲学外来」を始めたそうだ。


こころにみことばの処方箋 世界に広がる「がん哲学」こころにみことばの処方箋 世界に広がる「がん哲学」
講演や個人面談「がん哲学外来」で、がん患者さんや家族に「ことばの処方箋」を伝えている樋野医師。聖書のことばをベースに、つらい病の中でどう生きていくのか、その希望を語る。 

 

 

 

 


がん哲学 新訂版 立花隆氏との対話がん哲学 新訂版 立花隆氏との対話
がん病理学者・樋野興夫教授の提唱する話題の「がん哲学」を平易な語り口で紹介。立花隆氏との対談を付す新訂版

 

 

 

 


最近、あなた笑えてますか最近、あなた笑えてますか
43歳のときに肺小細胞がんに出会う。そのがん克服のドラマが話題となり、01年から「いのちに感謝の独演会」を開催。04年に東レを退社。執筆活動の傍ら、落語と語りをセットにした独自のスタイルで全国を講演、人々を勇気づける活動をしている 。

 

 

 


がんと心 (文春文庫)がんと心 (文春文庫)
告知の衝撃、治療の苦しみ、再発への不安、孤独感―がんとの長い闘病生活において尽きることのない心の葛藤と、患者やその家族はどのように向き合えばいいのか。がん体験者である著者が、精神腫瘍医・内富庸介先生と、がんと心のありようについて、とことん話し合います。自分らしく生きるための心の指針。

 

 【私のブログ記事】がんと心、サイコオンコロジー

しかし、がん患者の立場としては次のように考えておけばよいのでしょう。

がんの”種子”を作り出す精神的要因が特定されたことはない。しかし、心理的なストレスはがんが成長するのに好ましい土壌に大きな影響を与えているだろう。少なくともがん細胞の成長を促す可能性があることは示されているのである。がんの要因は多種多様であり、人それぞれによっても違っているだろう。

心ががんを作り出すかどうかは、議論の余地があることだとしても、私たちはがんと診断されたとき、自分の生き方を転換するという選択肢を選ぶことができる。これを選ぶか選ばないかは当人の意志によるとしても、そうした方が回復の可能性が高いのであるなら、やってみても失うものはないでしょう。

対談者の岸本葉子氏も、「がんになるのに心は関係ない。でもなってからは関係あるといいたい」と述べています。この対談集は、死に対する考え方、受け止め方など共感する部分が多いです。

    死を通過点、別の命への結節点としてとらえるのではなく、そこから先は一切が途絶える断崖絶壁としての死を措定してこそ、「生」という問題が人間にとって、この上ない集中度と緊張を持って成立する。

死後の世界を信じることができる人は幸せなのかもしれません。しかし、私はどうしても死後の世界というものを信じることができません。同じような悩みを抱えたがん患者がどのような心境にいたったのか、教えられることが多かったように思います。

    苦悩をじゅうぶんに苦悩し得るための、健康的な自我を取り戻す

これは非常に精神的に強い生き方ですね。悩み抜くことが人間らしい生き方だというのです。動物は、苦痛を感じても苦悩を感じることはありません。 


こころと体の対話―精神免疫学の世界 (文春新書)こころと体の対話―精神免疫学の世界 (文春新書)
私たちの生命は、さまざまな意味で、社会、文化、世界、宇宙へとつながり、また下位のレベルでは、臓器、細胞、遺伝子、分子と、すべて連鎖のなかでその営みが進む。こころと体の対話も、こうした多様な全体のなかで営まれているのである。それだけに、この分野には、人の性格やこころの状態を安易に身体の健康に結びつける、一見もっともらしい教義、俗信が入り込みやすい。こうした傾向については、これを厳しく排斥する姿勢を貫いたつもりである。

 


笑いと治癒力 (岩波現代文庫―社会)笑いと治癒力 (岩波現代文庫―社会)
不治に近い難病を文字どおり「笑って」治したジャーナリストが闘病体験をきっかけに,人間の自然治癒力の驚くべき可能性を徹底取材.笑いとユーモア,生への意欲が奇蹟を起こすことを例証する.創造力と長寿,プラシーボ効果,痛みの効用など,心とからだの微妙な関係に着目し,全人医療の在り方を問う問題提言の書。

この本で彼が言いたかったことは、『患者の責任』ということです。病気に対して人体は「治る能力=自己治癒力」を持っている。それを信じて正への意欲を持ち続けなければならないということ。「ビタミンCと笑い」は、一つの選択肢であり、彼もビタミンCが全ての病気を治すなどとは言っていません。笑っていれば医者の治療などは必要ないとも言っていません。しかし、「笑い」すなわち精神が肉体に影響を及ぼしうることがあるということは、今日では医学界でも認められるようになってきました。彼が治ったのはプラシーボ効果なのかもしれません。しかし、プラシーボ効果で治って、どうしていけないのでしょうかと問いかけます。人類は長い間、心のありようが病気を治すことができるということを信じてきたし、実際に治療効果があったのです。むしろ医学が「治してきた」と信じている大部分はプラシーボ効果なのかもしれません。世界で大量に飲まれているアスピリンでさえ、その効用の原因は分かっていないのですから。

 【私のブログ記事】「笑いと治癒力」ノーマン・カズンズ


続・笑いと治癒力―生への意欲 (岩波現代文庫)続・笑いと治癒力―生への意欲 (岩波現代文庫)

「薬の歴史はプラシーボの歴史である」ジョージ・ワシントンが瀉血のせいで死亡したように、当時は病気になれば体から血を抜くことが、もっとも効果的だと専門的にも信じられていたように、そして一定の効果があったように、医者や医学界が間違った知識に基づいて治療に当たっていたにも関わらず、患者は回復していたのです。医学の発達していない時代にさえ、祈祷師やまじないだけで多くの病気が治っていたのは、プラシーボ効果によるものだと考えられます。

生への意欲と創造力は、脳内インパルスを発生して下垂体を刺激し、松果体などの内分泌系へ影響することが科学的にも明らかになっています。一粒の「丸薬」がプラシーボ効果を引き起こすことができるのなら、「丸薬」という「使者」がいなくてもプラシーボ効果を起こすことが可能になるのではないかと彼は言います。


プラシーボの治癒力―心がつくる体内万能薬プラシーボの治癒力―心がつくる体内万能薬

奇跡的治癒に関する本はいくつかあるが、理論的に解説し、現時点の知見に基づいた方法論にまで言及している著作は、これ以外にはないと思います。

私たちが、周囲から自分の健康に関する何らかのメッセージを受け取ったとき、それが大切な人間関係と結びついている場合には特に、私たちの身体はメッセージに反応する。

意味づけを変えるこうしたメッセージを受け取ると、からだは何をするのだろう? プラシーボ反応について科学がこれまで明らかにしたことを大雑把に理解する一番いい方法は、私たちの誰もが「体内の製薬工場」を持っていると想像することだと思う。

ブローディはこの本で、

プラシーボ反応という現象を解き明かし、強力な治癒効果を誰もが利用できるようにするための、明快かつ科学的価値のある理論に到達することをめざしている。

と言い、「理論編」と「実践編」に分けて役立つ理論になるようにと試みています。

 

プラシーボ反応を完全にコントロールすることは難しいにしても、それを上手に利用して治癒を早めたり、がん細胞を完全に消せないにしても、健康を高めたり、好調を維持したりできる可能性はある。「体内の製薬工場」を利用するための方法はマスターできるのである。しかし、

心とからだとの、この複雑なつながりについて考えるとき、畏怖と驚嘆の気持ちを抱き続けることは絶対に必要だと私は考えている。プラシーボ反応を予測可能な、自分の意のままになるものとして扱うようになったら、皮肉なことにプラシーボ反応は私たちを助けてくれなくなるだろう。助けてくれるとしたら、ひとつには私たちがそれを神秘的だと思い続けているかぎりにおいてなのだ。

と、重要な視点を強調しています。

 【私のブログ記事】がんの奇跡的治癒 プラシーボ効果を利用する


がんは「気持ち」で治るのか!?―精神神経免疫学の挑戦 (三一新書)がんは「気持ち」で治るのか!?―精神神経免疫学の挑戦 (三一新書)
研究者たちの挑戦、「がん・ストレス・免疫」その関係を科学的データで実証するとともに、「がん患者の心理、免疫療法」を具体例で解説。がんに打ち勝つための“こころ”の持ち方と家族や社会の取り組み方を提示した待望の本。 

 

 

 


パワフル・プラセボ―古代の祈祷師から現代の医師までパワフル・プラセボ―古代の祈祷師から現代の医師まで

医療者は、治療の意味や効果をどのように明確にすることができるか。EBM、医療倫理といった今日的な問題を読み解く最も本質的な手がかりは、医療行為とともに誕生したプラセボをめぐる議論の中にある。

 

【私のブログ記事】がんの奇跡的治癒 プラシーボ効果を利用する

 医療とプラシーボ効果は分かちがたく結びついている。プラシーボ効果は、あらゆる治療行為において数十%、ときには60%もの割合で有効性を発揮するという。EBMが強調され、二重盲検法が推奨されるとき、プラシーボ効果は、検証しようとする治療法にとっては”雑音”であり、取り除くべき対象である。しかし、プラシーボ効果が医療と分かちがたく結びついているであるのなら、現場の医師は「プラシーボ効果も処方できなくてはならない」。


がんは誰が治すのか―治癒のしくみと脳のはたらきがんは誰が治すのか―治癒のしくみと脳のはたらき

本書は抗がん剤開発者の「気づき」の記録だ。著者は生化学者として、薬効のあるプロポリスからがん征圧に有効な成分を抽出する研究に従事していた。日本で製薬会社をめぐるトラブルがあり、米国に移住。いくつかの成果は出たものの決定打に欠け、がん細胞を消滅させるというアプローチに疑問を感じ始めていた。

 そんな折、抗がん剤研究の権威の共同研究者ががんで亡くなり、本人も大腸がんを発病してしまう。西洋医学の最前線にいながら、自分と家族の健康維持は野口整体に頼っていたため悩むが、最終的に手術を拒否し、代替医療を選択した。

 その経緯が良好だったこと、ならびにがんを作ってしまった自分自身の精神状態に思いが至り、発想が一八〇度転換する。「病気を治すのに薬がいる」という常識は、単に製薬会社と医師がつくりあげた幻影だと気づく。専門知識を生かして意識と自己治癒力の関連について考察を進め、医学の世界では邪魔者扱いされているプラシーボ(偽薬)効果に、積極的な意味づけを与えた。さらに西洋医学や近代科学の限界を指摘し、「人間とは何か」、「宇宙とは何か」という哲学的な思索に踏み込んでいった。


心が生かし心が殺す―ストレスの心身医学心が生かし心が殺す―ストレスの心身医学
私たちの心とからだの病気との深い結びつきを、脳・内分泌系・免疫系、また社会心理面から多面的に解き明かす。ストレス要因の急増する今こそ、自分の心に「殺されない」ようにするための、予防医学の必読書。

 

 

 


こころと治癒力―心身医療最前線こころと治癒力―心身医療最前線
米国気鋭の医師、科学者11人が、人の治癒力を引き出すさまざまな試みとその成果を語る。いま医学の最先端で何が起こっているのか、科学はこころをどこまで解明しているかがわかる貴重な書。

【私のブログ記事】「心と癌と量子力学の関係(4)

エンドルフィンやそれと同等の化学物質(ペプチド)が、脳だけではなく、免疫系や内分泌系、身体の至る所で見つかっています。これらの分子は心と身体のコミュニケーションネットワークに関わっているのです。一方で細胞には受信アンテナのような数百万個のレセプターがついていて、これらの分子がレセプターをくすぐると、ある種の感情が起きたりするのです。


ペンローズの量子脳理論―21世紀を動かす心とコンピュータのサイエンス (Naturaーeye science)ペンローズの量子脳理論―21世紀を動かす心とコンピュータのサイエンス (Naturaーeye science)
意識はどこでどのように生じているのか。脳に宿る心の本質を新しい物理法則「ペンローズ理論」により俯瞰する。世界的ベストセラー「皇帝の新しい心」他で科学界のトップランナーとなった著者の業績とその果てなき可能性。

 【私のブログ記事】「死んだら心はどうなるのか?

結論から書けば、目新しいことはなかった。死ねば心もなくなる、という私にとってはあたりまえのことを確認しただけだった。

脳には1千億個のニューロン(神経細胞)があり、それらがシナプス結合によってつながっている。(ニューラルネットワーク)

 

こられのニューロンのひとかたまり、ユニットが「うれしい」「熱い」「楽しい」などのさまざまな「知」「情」「意」「記憶と学習」をになっている。これらの全体、複雑系としての全体の働きの結果が「心(意識と無意識)」なのである。

 死んだら心はどうなるのか。無くなる、ただそれだけのこと。

    神や神秘体験や霊魂は、すべて脳が作り出したものとして説明できるのだ。これらが脳の外に存在しないと考えても、何ら矛盾しない。

ま、霊魂や魂の存在を信じることで心の平安が得られるのなら、無理に科学的に考えることもない。信じていれば良いと思う。


癒しの道癒しの道
妹を白血病で失い、自らも癌と宣告されたジャーナリストが、闘病者、治療者、医師たちへのインタビューを重ね、現代医学の病根とこころの治癒力の可能性をさぐる。自分にとっての病気の意味を見いだしていった魂の旅の記録。

 

 

 


内なる治癒力―こころと免疫をめぐる新しい医学内なる治癒力―こころと免疫をめぐる新しい医学

話題のPNI(精神神経免疫学)を紹介,心が体に与える影響を科学的に解明。瞑想,自律訓練法等のトレーニングの効用について検討し,今後の全人的医療について述べた。

 

本書は、感情や心構えが、健康と風邪からがんにいたるあらゆる病気にどのような影響を与えるのかを科学的に立証した労作である。精神神経免疫学の挑戦。 

【私のブログ記事】花粉症の人は癌になりにくい

免疫系は神経系(脳)について人間の身体で複雑なシステムです。脳と同じく、その研究はまだ始まったばかりであり、我々の免疫系に関する知識は初歩的な段階です。しかし近年精神神経免疫学の分野の研究はめざましく進歩しています。例えばスティーブン・ロック/ダグラス・コリガンによる『内なる治癒力』や、神庭重信の『こころと身体の対話』には、免疫系と脳あるいは心の相互関係の到達点が述べられています。免疫系は「複雑系」であり、人体は神経系・消化器系などの他の複雑系が、さらに相互に情報交換をしながら自律的に行動している『スーパーシステム』ですから、人類はまだその全貌を知り得ていないのです。


心身免疫セラピー―精神神経免疫学入門心身免疫セラピー―精神神経免疫学入門

治療は病気の徴候や症状を緩和、除去のための外的資源を利用、一方、癒しは生来の内なる治癒力を利用する。癒しの二つの要素、マインドフルネスと自己制御であり、本書はこれを引き出し活用するためのワークブックと訓練プログラムである。